香川県東かがわ市で40年以上続く手袋メーカー「株式会社クロダ」経営企画部・佐竹さんにクロダ手袋の特徴や今後の挑戦について詳しく伺いました。
1977年に香川県東かがわ市で誕生し、レザーグローブを中心に日本の手袋産業を支えてきました。
また早くから海外進出に取り組み、材料の調達から工場の設立まで着手してきました。
近年ではフッションの変化に合わせ、ライフスタイルに合わせたカジュアルな手袋も生産しています。
クロダ手袋の一番の自慢は縫製力です。
手袋の縫製は指先の細かなものであり、1mm単位の正確さが求められる仕事です。
40年以上培ってきたからこそ持っている、この縫製力で作られる手袋はとてもなめらかで手入れ感がよく、長年愛用される手袋を生み出す秘訣となっています。
また、中国・インド・ミャンマーの工場でもクロダの一貫した技術力は受け継がれています。
ミャンマーでは地域の縫製学校に手袋科を作り、道具の使い方や縫製技術を勉強してもらい、卒業後も工場で技術や生産管理を習得した人が社員としてクロダを支えています。
レザーグローブには、厳選した羊の革を使用しています。
羊の革はとてもなめらかで柔らかく手に馴染みやすいです。また革自体も丈夫で、長年愛用することができエイジングも楽しむことができます。
この素材と技術を組み合わせることにより、素晴らしい製品が生み出されています。
佐竹さんが初めてクロダの手袋に出会った時、この羊の革にすごく感動されたそうです。
近年ではレザーグローブだけではなく、カジュアルな手袋の生産にも力を入れています。
現代の多くの人は、フォーマルなスタイルにあう手袋よりカジュアルな手袋を求めています。
そこでデザインを一新して、カジュアルで日常使いのしやすい手袋の生産をはじめました。
例えば、手の甲側をツイードの生地で作った手袋、機能性の高い素材を組み合わせたコンビ手袋、かわいい刺繍の入った手袋などです。
手を守り続ける手袋を作り続けていき、香川から世界へメイドインジャパンの手袋を広めていきたいと語られた佐竹さん。
初めは、レザーグローブが主流でしたが、時代の流れで人々が求めている手袋は変わってきています。
昨今では、コロナが流行ったことをきっかけに抗菌・抗ウイルスの手袋を作りました。
こういった時代の変化を汲み取り、新しい要望に応える商品を作り出すことはメーカーにとって大事なことです。
時代の流れにそって手袋のデザインはどんどん変化していきます。
しかし時代は変わっても「KURODA」はどんな時でも手を守り続ける手袋を作り続けていきます。
またメイドインジャパンの手袋として世界に広めていきたいです。
メイドインジャパンの商品は世界に認められている高品質の物であり、世界中の人々から人気です。
手袋の世界市場への参入はまだまだやるべきことはたくさんありますが、日本で一番小さい県『香川県』からメイドインジャパンの手袋の良さを世界に広め、世界で使われるブランドにしていきたいです。
なぜ香川で手袋が有名なのか?🧤
香川と聞くとみなさんは何を思い浮かべるでしょうか。
ほとんどの人は「うどん」を思い浮かべると思います。
言わずと知れた、讃岐うどんで有名な香川県。
ですが手袋産地としても有名で、国内で生産される手袋のうち、約90%以上の生産量を誇っています。 香川で手袋産業が発達したルーツは意外なものでした。
手袋産業の始まりは僧侶の駆け落ちからと言われております(諸説あり)。
1888年、東かがわに住んでいた住職・両児舜礼(ふたごしゅんれい)と一人の女性が大阪で駆け落ちし、そこで生計を立てていくために手袋製造を始め、従兄弟の棚次辰吉も大阪で事業を手伝うようになりました。
一方、東かがわでは、地場産業である製糖業や製塩業が外国からの商品輸入の増加にともない衰退していっていました。
地元の産業をどうにかしたいと、大阪の棚次辰吉に話をしたところ、手袋の技術を東かがわに持ち帰りそこから製造が始まりました。
地元を盛り上げていくという熱い想いで今もなお、手袋の生産は続いています。